『赤い鎖と千切れた小指』の
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その日も、いつもと同じように二つ目の目覚まし時計で、いつもと同じように目を覚ました山田は、いつもと同じように二日酔いでむくんだ顔を、いつもと同じように洗い流した。
そして、いつもと同じように曖昧な記憶を抱えたまま、いつもと同じように覗き込んだ鏡には、明らかにいつもとは違う自分が映っていた。
「な、何だ?」
もう一度顔を洗って確認してみるが、やはりそれは付いている。
鼻の頭に、小豆大ほどもある黒子ができていたのだ。おまけに真ん中には、長い縮れ毛が一本…。
山田は、恐る恐るその黒子に触ってみた。
鼻の芯までどっしりと生えているようなそれは、簡単に取れる様子は無い。
試しに毛の方も引っ張ってみたのだが、痛くてとてもじゃないが抜けそうに無い。
「こいつは困った…。」
今だって、他人様より少しだけ太くて毛深いというだけで、まったく女性にモテナイというのに、 その上鼻の頭にこんなものまでできてしまった日には、目も当てられないに決まっている。
山田は、がっくりと肩を落とした。
しかし、不思議なのは何だって急にこんなものができてしまったのかだ。
酒の飲みすぎだろうか? いや、そんなはずはない。
いくら俺が無類の酒好きだとは言っても、酒である日黒子ができたなんて、そんな話は今まで聞いたことがない。
悪い物でも食ったのだろうか? ストレス? はたまた誰かに、呪われているのか?
いやいや、それだってありえない。偏食家の俺が、得体のしれないものを口にするはずはないし、ストレスが溜まるほど仕事ができるわけでもない。
それに、呪いをかけられるほど恨まれてる覚えもない。
三十分程鏡の前で、ああでもないこうでもないとしているうちに、三つ目の目覚まし時計がうなりをあげた。
「やばい、遅刻だ!」
鼻の頭の厄介モノを仕方なくバンドエイドで覆い隠すと、山田は会社へと急いだ。
会社では、案の定散々な目にあった。
着くなり意地の悪い同僚達にバンドエイドは剥ぎ取られ、あらわになった醜い厄介モノは当然のように笑いものにされ、女子社員からはそっぽを向かれたまま、とうとう目すら合わせてもらえなくなったのだ。
「こんなモノができたせいで、俺の人生はもう終わりだ。」
投げやりな気持ちのまま仕事を終え帰宅しようとした山田に、明子が声をかけた。
「山田さん、たまには飲みに行きません?」
会社一の美人である明子の突然の誘いに驚く山田の腕に手を回し、明子はさっさと歩き出した。
山田一人では、入ることもないようなお洒落な店に明子は誘った。
「急にどうしたんですか?」
「あら…私との食事じゃご不満?」
「そんなことは…。」
「じゃあ、いいじゃない。楽しみましょうよ。」
食事の後、別の店へ。
そこは、ゆったりとしたジャズが流れる大人の雰囲気漂う一流ホテルのバーで、いつもと違ってなかなか酔うことができない。
「どうして俺を…?」
明子が山田の手に、自分の白い手を重ねた。
「ねぇ、私のこと嫌い?」
明子の濡れた瞳で見つめられ、山田の欲望が全身に掻き立てられていく。生まれて初めてのことに山田の胸は高鳴った。
ああ、俺の人生もまだまだ捨てたものじゃないらしいぞ。
明子と二人、すぐに部屋へと移動する。
シャワーを浴びたバスタオル姿の明子が、ベットでワインを飲んでいる山田にそっと寄りかかった。
「お願いがあるの…。」
「な、何だい?」
生まれたままのあらわな姿になった明子が、山田の顔へその豊満な乳房を押し付けてきた。
あ、あぁ…。
「ねぇ、して欲しいのよっ…。」
もうどうしようもない…と言わんばかりの明子が、悶えながらその先端を山田の鼻先へと押し付けた。
「それで…それでして!」
山田が鼻先でそこをいじめると、明子は甘い声を上げて喘いだ。
「もっと…もっとして…。」
生まれて初めての女性の柔らかさを、山田が激しく貪ると、それに答えるように明子が益々淫らに乱れていく。
そ、そろそろいいかな…?
山田は明子の十分に濡れたそこに、自分のはち切れんばかりに硬くなったモノをハメ込んだ。
ハメ込んだつもりだった…。
山田のそれはまるでプリンのような柔らかさで、一向に硬くなる気配はない。
それどころか、いつもよりもさらに小さく縮こまってしまっている。
「ごめん…。」
「いいのよ。それより…ねぇ、これでもっと…してちょうだい…。」
明子はそう言って、山田の鼻の頭の黒子にキスをした。
「ああ、いいとも。いくらでもしてやるさ。」
それからというもの、山田の人生はまるで天地がひっくり返ったかのように変わってしまった。
女という女が、まるで黒子に引き寄せられるかのように、山田を誘ってくるのだ。
そして必ずと言っていいほど、黒子で愛撫して欲しいとせがむ。中には毛を切らせて欲しいと懇願し、切った瞬間に絶頂で気絶する者までいた。
切られた毛は、次の日にはまた同じように生えてくる。
だから何の問題もないと言えばないのだが…。
「もう嫌だ!」
山田は、いつものように顔を洗って鏡を覗き込み叫んだ。
そもそもこの黒子が原因なのだ。この黒子ができたおかげで、女に異常に持てるようになった。しかし、いくらもてたところで本懐を遂げられなければ、男としてはなんの面白さも無い。
あれから一度も山田のモノは、山田のいうことをきいてくれていない。
いざとなると小さく縮み上がって使い物にならないのだ。
それもこれも、きっとこの黒子のせいに違いない。そもそもこの黒子は何なんだ?
その日の仕事終わり、山田は女達の誘いを断ると、曖昧な記憶を頼りにあの日の道筋を辿ることにした。
一軒目二軒目と回り、記憶が底をついた頃、一軒の見覚えのあるスナックの前に刺しかかった。
駄目元でその店に入ると、確かに見覚えがあることに気づいた。
黒子ができた前の晩、俺は確かにここにきたぞ。
山田はカウンターに座るなり、いそいそと酒を作っている店のママに話しかけた。
「なぁ、ママ。俺に見覚えないかい? 一ヵ月ほど前に来たことがあると思うんだが…。」
山田の言葉に振り向いたママが、驚きの声を上げた。
「あら、嫌だ! 山田さんじゃない。ちっとも顔見せないから、寂しかったわ。」
「やっぱり! 俺を知ってるのか?」
勢いよく身を乗り出した山田に、ママが驚いたように吹き出した。
「アハハハ。何よ〜、何かの冗談? そんな黒子までつけて…。常連さんの顔くらい覚えてます!」
俺はここの常連なのか?
「あぁ、ママ。悪いんだけど、最後に来た日の記憶が無くて困ってるんだよ。俺は、ここで何かなかったかい?」
笑いをこらえながら、ママが奥のボックス席を指差した。
「いつも、あの方と飲んでらっしゃいますよ。ほら。」
言われるままママの指先を見ると、初老の男性の姿があった。きちんとした身なりで、ブランデーを飲んでいる。
山田はママに礼を言うと、すぐさまその男に話しかけた。
「あの…。」
「おぉ! これはこれは、山田さん。あれから黒子の調子はいかがですか?」
「黒子! やっぱり何かご存知なんですね? 一体、この黒子は何なんですか?」
勢いよくまくし立てた山田を、男はあやす様に目の前に座らせると、ママに
「いつものを。」
と、慣れたように手を上げた。
「そんなことより、教えてください。俺は、もう嫌なんだ!」
「その黒子は、私がつけたものです。」
「やっぱり!」
自分のことを博士だと名乗ったその男は、山田にゆっくりと説明を始めた。
「その黒子は、フェロモン増幅器なのです。取り付けた男の欲望を素に、フェロモンを増幅させ、メスを呼び寄せる機械なのです。」
「それじゃあ何故、使い物にならなくなったのです?」
「少ない山田さんのフェロモンを、増幅させているんだ。それくらいは仕方ないでしょう?」
そう言って博士は、高らかに笑った。
「冗談じゃない! こんなものはさっさと取ってくれ!」
博士の悪びれない態度に、山田が怒鳴り声を上げる。
「それは構いませんが…一度つけた黒子を取ると、副作用でこれから一生女に縁がなくなると申し上げたはずですよ?」
博士の言葉に、山田ががっくりとうな垂れた。
「何てことだ…。こんなインチキに引っかかってしまった…。」
「いやいや、そんなに落ち込むことはない。貴方の場合、黒子を取ってしまうのも、つける前に戻るのも、どちらも同じ結果ですから。」



六本木に「テニスクラブ」というパブ&カフェがあった。「インフィニティ」
とか「チャールストン」みたいな踊る店に行く前に軽く飲んで腹拵えを
する店だった。俺は踊る訳でも何でもないけどそこに行けばとにかく
最新のUSA、UKのダンスミュージックが聴けるので、日常的に通った。
「ハンバーガーイン」で飯を食って(テニスクラブのバーガーよりは安い)
「テニスクラブ」は当時、時間と金が有り余っている「お嬢」と「ちゃま」
の巣窟で、俺は若いけど音楽家なんて見た目では派手な商売をして
いたりするし話は面白いし…って感じで遊び仲間が沢山いた。まっ、
殆どが当時付き合っていた葉子というお嬢の友達だったけれど…。
「えっ、松ヶ丘って…朝鮮学校の上の方にある翠嵐高校のほうかしら?」
「ああ、あの手前の国鉄の団地があんだろ?あそこだよ」彼女は昔付き
合った男が俺の家のすぐそばに住んでいて、化粧品屋のコマーシャルで
売れる直前までやたら通っていたので沢渡の焼き芋屋が夏場はカキ氷
屋になるのまで知っていた。テニスクラブを「ここって、ちょっと肩が凝る
よね。私も普通の勤め人の娘だから…」と悪戯っぽく笑った。
若い頃、飲み屋を共有していて何度となく会っていた…そんな何年かが
過ぎた俺は葉子と別れ、数年後別の女性と結婚し現在に至っている。
「売れてよかったじゃん、日本中で話題だぜ!!」
「良し悪しなんだよ…仕事だからね」CMで話題になって半年後くらいに
バッタリ旧TBSの前で信号待ちをしていた俺に彼女は言った。
俺のレクイエムはかなり深い付き合いをしていた人限定だったけど、
彼女は別だ。本当に若い頃、そう、10回も会っていなかったのに
インパクトがあった。彼女は俺の事を覚えていてくれたのだろうか…。
現在進行形の原稿が…チョットだけイッちゃってるので、
長谷川自身がイッちゃってると思われたら嫌だとと言ったら、
師匠に「ふふ…。」って微妙な笑いをされました。
ハイ。そんなわけでね、ひとしきりスッキリした所で、
今日の本題へ参りましょうね。
☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ
ここ最近、ピンの仕事に精を出しまくりな師匠。
Vシネマや映画関係の音楽監督に
勤しんでらっしゃるわけなんですが…。
一人寂しくブツブツ言いながら原稿書いてる長谷川に
何を聞くのかと思えば、
「お言葉を返すようですが…聞く前に分かってることは聞くな ー!!!
って言っていいですか?」
あの笑いは、歴代の黄門様にだけ許された、
真のオジイチャマの証なのに。。・゚・(ノД`)・゚・。
抱かれるなら、優しい佐野浅夫黄門様もいいけど…
ストイックな西村光黄門様もいいかなぁなんて、
ちょっと乙女心は秋の空だなんていうのは、ナイショなんだからねっ!
Vシネマの監督さんが、新しい風を入れたいと…
そんでもって誰か若い人で俳優さんいないかなぁ?って
話になってるんだとか…そういう話ですよ。
でもソコはやっぱりプロなのね。そこそこ演技できないと困るらしいですわ。
ま、ヒロキOF松方さんとか哀川セイヤ!翔さんとか、
出てるんだから当たり前っちゃクラッカーだわな。
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